夏休み目前の徒然。
明日から、高校生になって初めての夏休みが始まります。
いつのまにか、もう、夏。
なんて早いんだろう。
入学してからの4ヶ月間は本当にあっという間で、瞬く間に過ぎていった。
でもその時間の濃さは今までのどんな日々よりも濃くて厚くて密度の高いものだった。
なにより、私自身がいっぱいいっぱいなギリギリの限界でふんばっていた。
そんな4ヶ月間でした。
入学して、最初の1週間。
わたしには、話せる人がいなかった。
お昼、一緒にお弁当を食べる友達、授業がわからない時に、どうやってやるの?って聞ける友達、部活体験行ってみない?って話せる友達。
初対面の人に、話題も共通点もなしに話しかけるのができない。
クラスに、居場所はなかった。
息苦しくて。
楽しくなくて。
学校の行きたくなかった。
どうしてだろう、なんでこんなことになっちゃったんだろう。必死で勉強して掴みとった合格だったのに。
毎日そんなことを考えて帰る。
中学校に戻りたい。
帰り道に母校の前を通るといつも考えた。
きっと一歩正門を入れば、おかえりって迎えてくれる大好きな先生や後輩がいる。
だけど、帰れなかった。
送り出してくれた人たちに、こんな無様な姿は見せられないと思った。
悔しかった。
でも。
時間は、空間は、友達は。
少しずつわたしを受け入れてくれた。
1番はじめにわたしの居場所になってくれたのは、陸上部だった。
1年生はわたしの他に、男の子が1人いるたけで、2、3年生の先輩に囲まれて始まった、陸上部での活動。
毎朝7:20から朝練だから、7:00からグランド整備。学校に6時50分にはつかなきゃと思うと、家を出るのは6:20前。起きるのは5時半。
でも、しんどいだなんてこれっぽっちも思わなくて。
憧れの先輩の隣で走れてる、それだけで、夢のような時間だった。一分一秒でも早く学校に行って走りたい、それだけを考えていた。毎朝、嬉々として自転車を走らせていた。
楽しくて仕方がなかった。
走ること。
中学時代は学力でもみんなの中で卓越していたけど、同じ学力を持つ高校生、しかも県下トップレベルのこの高校で、学力で卓越しようだなんて、今の自分には、恐れ多くて言うことすらできない。
だけど、走ることでなら、自分を輝かせる。できる。みんなに胸張って走れるって言える。
わたしには、走ることがある。
居場所のない、空虚な心になってしまった気がした最初の何週間か、わたしは陸上に全てを捧げていました。
もう1人、部活に春休みから来ていたらしい、男の子。実は同じクラスの子で、これまたなかなかイケメンな男の子。本当に。それでいて速い。めちゃくちゃ速い。
頭良くて足が速くてルックス良くて…って、こんな人本当にいるんですねって感じの人。漫画かアニメか映画かドラマでしか見たことないよ。
彼とは、なんなく話せた。一番話しやすかった。陸上っていう共通点があるから、それだけで話していいんだって自分の中で認識されるんだろうね。あとから聞いてみたら、他の女子にとって、彼Kくんは無口だし顔良いし足速いし、で、なかなか話しかけづらい雰囲気の人らしい。わたしは初っ端から名前で呼べと言われたから下の名前で呼び捨てたもので、みんなの度肝を抜いたらしいけど。
ただ、みんながひとつ誤解してるのは、全然無口じゃないってこと。バカなことしか言わないくらいバカなことばっかり言うしボケるし脱力系だしなんにせよ勉強ができない。わたし並みに。わたし以下かもしれないくらい。
まぁ、持ちつ持たれつよね。これでクールキャラとかだったら本当に二次元の王子様だもん。話しやすい人で本当に助かった。
そしてもう1人、わたしのクラスから、陸上部に入部してくれた女の子がいる。
彼女、Mは、中学もわたしのように陸上をやっていた子で、わたしは大会で何度か名前を見かけていた子だった。
そして同じように、生徒会長を務めていた人でもある。
いろんな部分で、わたしと合う。
今ではいちばん信頼できる、大事なひとになった。
毎日お弁当を一緒に食べて、部活動やって、疲れたね、おつかれさま!って言い合って帰る仲。
そして、初めて、あぁこの人には敵わないな、って思った人でもある。
Mは、本当にすごい子なの。
でもそのすごいことを絶対に鼻にかけないし、謙虚だし、自分はまだまだだって思ってる。
ものすごくチャレンジャーだし、ユニーク。
好き。
これからもっと知って、もっと仲良くなっていきたい。
そんなこんなで、部活はわたしにとって、かけがえのない場所になっていった。
追いかけて入学した憧れの先輩の、東海大会の応援に、学校代表で行かせてもらったり。
先輩のペースメーカーとして400mを走って、すごく褒めてもらえたり。
受験期に走ってなかったブランクを3ヶ月間の努力で乗り越えて、6月末の大会でベストを9秒も更新したり。
まだ入部して4ヶ月だけど、思い出せないくらいたくさんの喜びや感動で溢れてる。
顧問の先生もとても良い方で、わたしの走りと正面から向き合ってくださり、いろんな部分を直してくれる。
叱ってくれることも、褒めてくれることも、私にとっては宝物。
毎日の部活が宝物。
夏休みの休みは、5日間だけ。
陸上部は、高校にある部活の中で、野球部に次ぐしんどさで有名。(野球部は唯一裁量をとって甲子園を目指す強豪校なもので別格なのですが)
それも覚悟で、高校で続けることを決心したんだから、むしろ楽しみなくらい。
この夏で、強くなる。
合宿も、日々の練習も、頑張る。
強くなる。
成長する。
クラスでの居場所は、文化祭を通して。
準備期間、陸上部は部活が毎日あってなかなかいけなかったんだけど、力仕事はお任せあれ!って感じで、遅くまで残ってやっていたら、いろんな人と話せるようになった。
あと、ほんの気まぐれで、会計係になってしまったもので、それもあって買い出しに行った人と話す機会が生まれたり。
もう1つのきっかけは、毎日、課題の写真を、忙しくて勉強できない野球部のクラスメイトに送り始めたこと。
もう慣れたけど、本当にわたしは毎回課題が出るたびにLINEで全ページを彼に送る。
2人いる野球部の1人、Tは、中学でこれもまた生徒会長を務めていて、裁量ではなく一般枠で合格した野球部員。
だから中学までは勉強ができていたというか、頭は今でももちろんあるんだけど、なんにせよ勉強する時間がなくて、学力が急降下中という、わたしのような人。
はじめは、忙しい中本当にごめんありがとう、という低姿勢なTだったけど、もう慣れたものでこの間なんかは、国語の課題の作文が終わりそうになくて、このままだと書き終わる前に寝ちゃいそうだから電話しても良い?と、11時過ぎに連絡してきた。
もっとも。
その日はわたしも遅くまで勉強しなきゃいけなかったから、話し相手がいて起きていられて、結果オーライなところはあったのだが。
今では、わたしのクラスは優しい人たちばかりで話しやすい友達だらけで、とても良い場所だなって思えている。
この高校に来てよかったな、
このクラスでよかったな、
あったかいな、
明日も学校行きたいな、
………時々行きたくない日もあるけど(特に英語の週テストの日とか数学の確認テストの日とか)
他にも書ききれないくらいいろんな出来事があったこの4ヶ月間。
特に勉強はね、かろうじて平均点の上をキープしてる数学とかね。ちんぷんかんぷんすぎてテスト配られた瞬間諦めが入る。今までのわたしじゃありえない。
でもこれもすべてひっくるめて出会いなんだなぁ、と思う。
これを待ってましたって感じで楽しんでる。
意外と他の教科は良くて、この間のテストはクラスで41人中7位。結構すごいと思う。頑張ったと思う。平均もかなり高かった。……数学以外は。
数学を頑張ろう。。。。
高校1年生の夏。
どんな夏になるんだろう。
陸上。
毎日の部活。合宿。大会。
勉強。
学校の夏期講習。山積みの課題。夏休み明け初日に待ち受ける学力テストへのテスト対策。数学の復習。
だけじゃなくて。
高校野球。
うちの学校は?甲子園は?記念すべき令和元年夏の大会101回目の優勝校は?
読書。
本棚に眠ってる何十冊もの積ん読。読みたい話題の本。シリーズの完結感。
テレビ。
なつぞら。うたの夏まつり。映画。
楽しみなことだらけなの。
やりたいことだらけなの。
明日の終業式を放送で終わらせるという異例の事態のあと、野球応援にバスで駆けつけて(そのための異例の事態)、きっと勝って、4試合目に進んで、準決勝、決勝、甲子園への道。
わたしは願っている。
ずっと悪かった膝の調子がまた微妙になってきたから、今日はしっかり走れなかったけど、それで気分が落ち込んでいたけど、それでも、逃げ出しちゃいけない。
闘わなくちゃ。
闘いたい。
強くなりたい。
ただそれだけのために。
外は土砂降りの雨。
今は気持ちもそんなに晴れない。
でも、今までのことをここに書き綴って、スッキリさせて。
今日は、勉強はしない。
ピアノを弾いて本を読む。
きっとみんなは努力してる、もう、今日から。あるいは、昨日から、一昨日から、もっとずっと前から。
でも、許す。今日だけは。
明日からリスタートしよう。
梅雨明けはきっとすぐそこだから、
さぁ。
一度しかこない、高校1年の夏が始まる。
夏にときめけ!
明日にきらめけ!