嵐の前の静けさ。
恋ってなんだろう。人を好きになるって、誰かと付き合うって、結婚するって、人生をともに過ごすって、なんだろう。
わたしの両親は、どうして結婚したのかな。
世の中の恋人たちはどうやって出会ってどうやって好きになったのかな。
同じ人を好きになってしまったり、突然何人もの人に好きと言われたり。
人の心って、よくわからない。
あんなに好きだと思っていた人を、簡単に忘れ去った、自分。
そんな気持ちなど、もとから存在していなかったかのように。
一時は恋人だった人が、友達も知り合いも通り越して、もはや無関心になってしまった。
前は、ずっと前は、3年間思い続けていた日々は、あの頃は、彼を好きじゃない自分など、想像もつかなかったのに。彼を好きじゃなくなった自分なんて、自分じゃないと思っていたのに。
あれ。わたしは普通に生きてる。
世の中の結婚した人たちを見ると、その多さに、驚く。
今こうして生きてる人々は、みんな、1人残らず、誰かに産んでもらった命。母親に授かった、命。
母親に相手がいない限り、授かることはできない。
つまり。
今生きてる人の数だけ、誰かと誰かが愛し合った証拠なんだ。そのほとんどは、結婚しているんだ。つまり、ほぼ、生きてる人の数だけ、結婚がある。言い方に違和感があるけど。
生きてる人の倍の数、誰かを愛した人がいる。
信じられない。
わたしは、手に入るまではずっと思い続けるくせに、手に入った途端、大事にしなくなってしまう。
友達に話したら、驚愕された。
「Cocoがそんなこと言うの⁉︎そんなこと考えてたの⁉︎」
わたしの恋愛観は、やっぱり一般常識とはズレているみたいだ。
今、わたしの友達、N猫くんの愛しきわたしの友達は、N猫くんと別れようとしている。もう、前みたいに好きが溢れてこなくなったんだと。
彼女、Sちゃんは、恋愛は楽しいものだって、言う。構ってもらって、2人で楽しくて幸せでドキドキする、そんな恋愛。でもN猫くんは、Sちゃんにたくさん連絡をするわけでもない、たくさん遊びに行けるわけでもない、なかなか、Sちゃんはそんな彼に業を煮やしていたようで。かいつまむと。
そんなところに、Aコアラ登場。彼は、コアラに似てる。顔が。サッカー少年。そして、大のかまちょくんかと。そこは犬っぽい。そして、わたしの初カレであり元カレである。もっとも、わたしがその時本気で彼を思っていたかと言うと多分否だ。今だから言えちゃうけど。あの頃は、周りの目や彼が傷つくことが何よりも怖かった。
そんなAコアラ。Sちゃんにガチ惚れ&猛アタック。hugやらkissやら、もうとにかく猛アタック。
…わたしとは、口を聞くことだってままならなくて、手さえ繋いだことなかったのに。二人三脚はしたけど。(←やっぱり恋愛の仕方おかしいのか私は。)
SちゃんもSちゃんだと思う。彼氏いるのにそんな会いに行くなよって。
でも、気持ちがわからなくもない。きっとSちゃんにとって、Aコアラは、理想や幸せ、求めているものを、一つ残らず与えてくれる人なんだ。N猫くんに対する不満が少しずつ増えていく中で、すぐそばに自分の寂しさや不満を埋めてくれる人がいて、そっちに揺れない、というのはなかなか根性と心の強さがいること。
そこで耐えられるような人は、きっともとからAコアラみたいな存在に頼ることはないだろうし、N猫くんともちゃんと話して割り切れるはず。
N猫くんは、Sちゃんのこと、ほんとに好きみたいで。話を聞く限りではきっと。
Sちゃんは、「別れることで周りからどう思われるかが怖いだけかも、Sのことはそんなに好きじゃないと思う」って言うけど、人目を気にして無理して付き合うことがどれだけつらいことか、私は去年1年を通して痛感してる。
夏休み中Sちゃんは、我慢してまだN猫と付き合う、って言っていた。でもそんなの無理に決まってる。現に、Aコアラに色んなことを求めてる。
だけど、2週間後の体育祭のチームが、5人組なんだけど、N猫くんとSちゃんは同じ組。それからわたしと、ダブルTくん(のうちの片割れは、なんとSちゃんに今日告白したそうで。今までずっと、N猫くんとのことを相談していたらしい。いやどんだけモテるんだSちゃん)。
そして今や、先日の席替えで、なんとSちゃんとN猫くんは隣。そしてN猫くんの前はダブルTの告白した方。
なんてくじ運のないSちゃん……。
要するに、今別れたら気まずいわけで。
でも昨日の放課後、とりあえずもうN猫くんとは別れるって決めて、2人で下校して。
Aコアラは、わたしがやめとけって言ってるから、N猫くんと別れてすぐAコアラに行くことはないと思うけど、N猫くんと別れたって知ったAコアラが、Sちゃんへのアタックをさらに強めていくことは間違いない。そしてSちゃんがそれに白旗あげるのは時間の問題だと思う。
お願いだから、この安定した幸せに、波風立てないで、って祈りたくなる。
だけどきっとこれは、大波乱の幕開け、だと思う。
そして、あと数日でやってくる、学力調査やら体育祭やら定期テストやら合唱祭やら解任式やら。
どこからか、ほら、空に轟く雷鳴が。静かに震える地響きが。
聞こえてくる気がする。
わたしは乗り越えられるだろうか。
たったひとつの支えは、U18野球アジア大会。
今日は、吉田輝星くんと柿木蓮くんに励まされた日。
甲子園で、あんなにぶつかり合った者同士が、今はこうして手を取り合って支え合って戦ってる。
こんな夢みたいな瞬間、二度と訪れない。
ありがとう。
ねえ、
だいすきだよ。
誰よりも応援する、そのくらいの気持ちで応援してる。
精一杯、みなさんの野球をしてきてください。
勉強したくない。
何もしたくない。
ただ好きなものに囲まれていたい。
逃げ出したい。
どうしちゃったんだろ自分。
こんなことばっかりつらつらだらだら書き綴って。
何をしたいんだろうな。
とりあえず、寝よ。